アペルイが草木染めにこだわるのは、身にまとうものは装飾性やコスパより心地よさ重視だなと思うからです。心地よさに自分だけでない他の生きものや途上国の人々も心地いいものであることはもちろん外せません。そんな思いを煮詰めていくと、おのずと素材は石油系の化学繊維ではなく天然由来のものとなっていき、途上国の生産者の方々に正当なお支払いをすると高額になっていきます。高額になってもなお心地よさを優先するのは、草木染めにたくさんの薬効があることを知ったからです。そして、僕ら日本人の先祖たちは、そのことを当たり前ように生活に取り入れていたのです。そして、石油類を原料とする化学染料ではない天然のものなので、肌の弱い人、アトピー体質の方にも安心して着てもらえます。
「衣服は大薬」という言葉があるように、服はかつての日本では薬であり、皮膚から直接、びわ、ちょうじ、藍、茜などの薬効を取り込むことを「服用」と言いました。
キブカバンにお願いして染めてもらっている原料は現在4種。まずはザクロの紹介。
ザクロに含まれる天然植物性エストロゲンは、女性ホルモンと同じような効果があり、子宮・卵巣などの生殖器の 発達を促します。排卵を促したり、子宮内膜を増殖させるので受精卵を着床しやすくなり、妊娠を促進すると言われています。 更年期障害や美容・健康にも良いとされることから古代ペルシャでは「生命の果実」と呼ばれていたそうです。写真のロングTシャツはアルミ媒染で染めあげたものです。
【効能】妊娠促進・生理痛・内膜症の緩和・浄血・子宮内膜症・更年期障害・不妊症
次は茜(あかね)の紹介。
茜の根は赤い。そこから生まれる茜色は私たちが胎内で見ていた色といわれ、深い安心感をもたらしてくれます。茜は漢方薬としても使われるほど、薬用効果の高い植物で、保温作用もあり、浄血や造血、保温など血液にまつわる薬効があることから、古来より女性に有効な植物として重宝され、女性の腰巻などに使われました。保温作用により血流が良くなるため便秘気味の方や冷え症の方におすすめです。また、造血も促してくれるので貧血の方にも効果があると言われます。
【効能】浄血・保温・解熱・強壮・身体の活性化・便通促進
次は藍の紹介。
藍染めの衣類は、強度があり、温度変化に対する抵抗力が強く抗菌力を持つために、何百年もほころびることなく見事な色調を保っているものが、数多く残されているそうです。絹布も藍染めによって保存性が飛躍的に向上するために、徳川家康の藍染めの衣類が、今も見事な色と強度を保ったまま残されています。
温度変化と磨耗に対する抵抗力がすぐれているため、江戸時代の火消し装束はすべて藍染めの木綿だったそうです。
戦国時代の頃から、健康維持、疾病予防、解毒の作用がしられていて、他の染物と異なり、積極的に医療目的でも広く利用されていたそうです。
藍染めの下着は保温に優れ、体臭を外へ出さないそうです。殺菌力に優れていて皮膚病の伝染を阻止する作用があり、江戸時代の城下町ではその衛生上の効果が注目されて、城の近くに紺屋町(藍染め屋の町)を置いていたそうです。
藍染めの衣類には止血効果があるため、矢傷に対する有効性が着目され、鎧の下には藍布の衣類を着用するのが常であったそうです。
防虫作用や毒蛇の攻撃を避ける効果もあったために、野宿にもうってつけで、藍染めの布はたんすにいれておくと虫除けになるといわれていたそうです。
藍の葉や種は、かつてはフグ中毒の解毒や解熱感冒薬として使われていた時代もあるそうです。
調べると色々出てきます藍の効用。やっぱり藍染はすごいですね〜。
藍染以外でTシャツにデザインを入れようとするとどうしても科学的な薬品を使わざるをえないのです。藍染だけは天然由来のもので型抜きできデザインできます。なのでキブカバンでは、デザインされたものは藍染めだけで、その他の草木染めはノーデザインで色をつけたのみのシンプルなものとなっています。キブカバンとアペルイのロゴが入るだけ。
服はシンプルな方が、人格が浮き彫りになって、自己表現には良いと個人的には思っています。シンプル・イズ・ベストで、体を浄化できるアペルイオリジナルの衣を服用しながら、真のオシャレをしてみませんか。
4種目のヨモギ。よもぎ染めだけは、現在のよもぎではいい色が出ないため、現在は作成できません。もしご希望の際は、在庫がまだ数点あるようなので、お問い合わせください。近日中に効用、色合いなど紹介したいと思います。