コンセプト

屋久島にオーガニックのカルチャーを。

世界は今、資本主義が肥大化した強力なグローバリズムの力に翻弄されながら大量採取→大量生産→大量消費→大量消費→大量廃棄という経済システムで人間の営みが成り立っています。

お金(利益)を生み出す源は全て自然から。

現在の経済システムの原動力である資源は全て自然から頂戴しているものです。生産者は利益を追い求めてジャンジャン自然から資源を得、消費者は「足を知らず」の欲のまま使い捨ての繰り返し。そんな僕らの日々の暮らし方が、世界中で起きている森林破壊や海洋汚染、大気汚染を生み出してしまっているのは、もう小学生でもわかっている事実であるのだけれど、多くの大人たちは一向にライフスタイルを変えることができないのが現状です。

そんな現代で、一つの組織として何ができるのだろうか。そんなことをいつも考えながら屋久島でエコビレッジづくりをしていた中で、暮らしを自給的で持続的なものへと変化させることの充実感と楽しさをたっぷりと体感してきました。「これは都会に住んでいる人にも体感してもらおう」と思いつき、イソウロウを受け入れ、WWOOFに登録し、農的な自然暮らしの体験を始めました。

1年中、旅人が誰かしらいるという共同生活を体験しながら、エコビレッジづくりは一気に加速し、自給率がかなり高まりました。その反面、オーガニックな暮らしは核家族ではとてもむづかしいことにも気づかされました。それは旅人も同じだったと思います。屋久島を旅立ち、祖国に帰った旅人の多くは、残念ながら多くは自給的な暮らしには踏み出せず、再び消費的な都会への暮らしに、磁石にはりつく砂鉄のように吸い込まれていっちゃいました。それほど、グローバリズムの力は強大なんだと思います。

屋久島に移住してきて10年。野菜をつくり続けて、家を建てて、車を天ぷら油で走るようにして、薪を割りつづけて、ギターとジャンベを覚えて音楽も自給しながら、ヤギとニワトリと一緒にいろいろとやってきました。10年という節目の2018年。これからの10年を先を想像してみたんです。すると、アペルイエコビレッジはこれから10年でだいたいこのぐらい進むだろうなあと予想がついちゃったんです。そして、未来の世界をも。

「これから10年同じやり方でアペルイが頑張っても、きっと世界は変わってはいかないだろうなあ。」

そう思っちゃったんです。10年のエコビレッジづくり経験でそう直感してしまったんです。これは僕にとってはとてもショックだったけど、そのことに気づくのに10年の歳月が必要だったということで腑に落とすしかない、そんな心の有り様です。

どうやったら自然が壊れることなく人が幸せに生きていけるのか。エコビレッジはこれからも質を高めながらも、別の切り口からも攻めないといけないな。そんな模索の中で浮かんだ思いつきが、オーガニック商店づくり。

自然を壊滅的に破壊してしまう大量採取じゃない永続可能な採取方法で得られた食品やモノ。捨てたくなくなるような愛着のわくもの。廃棄しても自然を汚染しない食品やモノ。こんなものと食べものが世界に広がっていったなら。そんな夢物語を現実のものにするべく2018年からアペルイで物販がスタートします。