今日は2013年の記事の転載をしようと思います。アペルイが物販をはじめた理由がここにあると思うからです。
「エコビレッジづくりで自分のライフスタイルの改造を。」
「自然を案内するガイドで、若者たちの自然観の改造を。」
この2つをテーマに自給的な暮らしをするガイドという肩書きで頑張ってきました。しかし、この2つの改造をする速度と、世界がより自然破壊的に突き進む消費文化の速度を10年の経験をもとにじっくり比較した時、この先10年同じことをしても、ますます加速していく物欲を掻き立てる際限ない消費文化に、自分の掲げた改造計画は突き放されていってしまうだろうという残念な予想が脳裏によぎってしまったのです。
今の消費文化は簡単に言うと次のようなサイクルに成っていると僕は思っています。
安いものは化学薬品などを多用し自然を汚染しながら、低賃金労働者を途上国に産みだしながら大量生産される→先進国では100円ショップなどで安いもの買う→安いからなのか、すぐ捨てる→また買う。その一方で分解されない大量のゴミがでる→自然が汚れる。
生産と廃棄のダブルパンチでどんどん自然が破壊されていると思うんです。生産を抑えて廃棄をなくすことでしか、地球で他の生きものたちと人は共存していけないし、現在の経済を支えている大量生産の要である資源が、全て自然から採取されている以上、自然が壊れていけば経済もいつかは減退していくんだろうという持論をもう20代からずっと僕は持っています。
経済よりまずは自然が優先されるべきだと。
そんな暮らしを実現しよう妻と屋久島に移住してきて10年頑張ってきたけど、今までのやり方だけでは不十分だったことを感じてしまったこの挫折感を、なんとかいい原動力に変えたい。そこで、今年になってずっと考えていて思いついたのが、世の中に存在しているモノを良質な商品で埋め尽くすというミッションです。夢物語のような話ですが、来年からコツコツやっていこうと思っています。
丁寧に作られたものが、丁寧に大切に長年愛用され、自然への大量採取が減り、ゴミも減り、自然が美しくなっていく。
「昔より、今の方が地球が美しくなったよね。」って子孫に言われるような消費文化へと変革の風を吹かせたい。
前置きが長くなりましたが、5年前のまだアペルイが和蔵という屋号だった頃のスピリットです。
以下、転載。
この汚い姿を笑いたくなる人は以下、長文一読ください。
この服装は貧乏だからしてるんじゃないです。かっこいいと思ってやってます。そして、都会で流行っているエコでロハスなライフスタイルの最先端だと思ってやってます。そのうち、流行りますよ!笑
僕がオシャレをするようになった高校生の時は、アメカジが流行っていて、かっこいい先輩はみんなボロボロのジーンズをはいてました。わざとハサミでボロボロにしてから、バイクにまたがってたなあ。笑
その頃は服に対する愛着がみんなあり、何年も同じ服を着ることがステータスになってた。僕は19歳のころ買ったLeeのジーパンを今だにミシンで縫いながら愛用してます。
時は流れ、外見のかっこよさを求めなくなった今、服なんてなんでもいいと思っているんだけど、昔の癖が染み付いていて、不都合と感じるまで服は大事に着てます。写真のTシャツは屋久島に来る前に友人からもらったものですが、背中の穴が日増しに大きくなってきて、蚊にさされるのと、手の動きが不自由になってきたので、今日が彼との最後のデートとなりました。 明日には洗濯され、油物の皿をふく布へと小刻みにカットされます。
ここまで読んで、面白いやつだなって思ったかな? でも、こんなこと、俺らのばあちゃん世代はみんなやってたことなんだ。たかだか50年ほどで、すっかり日本のモノへの愛着や価値観が一変してしまった。 モノはまだまだ使えるのに直すより買ったほうが安いし、経済がまわるからと、毎年、流行りものを買うカルチャーが一気に浸透してしまった。
そのお陰様で、ゴミは増えるは、森林伐採は進むは、海洋汚染で魚には環境ホルモンが混ざるはで、自然愛好家で美食家の俺はほとほとまいってるよ。
先進国の大量消費を維持するために、途上国の大地はふんだんに農薬をまかれ、低賃金で途上国の人々は働かされている。途上国の大地は汚れ、森はどんどんなくなっているみたいだよ。
日本では、太古の時代からモノにも八百万の神が宿ると心をこめて言い伝えられてきた。